外傷性脳損傷(TBI)から脳機能回復のために(IAFNR報告4)

この記事はIAFNR 3rd Annual Conference(10/25/2012-10/28/2012)にてDr. Castellanosによってプレゼンされた「Functional network reorganization after traumatic brain injury」をもとに書かせていただきました。

Megnetoencephalography(脳磁図)とはは脳の電気的活動によって生じる磁場を測定しイメージングする技術です。このプレゼンテーションでは、脳磁図を用いて、外傷性脳損傷(以下TBI, [Traumatic Brain Injury])によって生じる脳への影響を測定し、認知療法を行う事でさらに脳磁図がどのように変化するかの実験が紹介されました。

神経可塑性は、このサイトでも詳しく紹介させていただいていますが、これは脳への損傷後も脳機能回復のために大きな役割を担います。神経可塑性の機序はまだ明確にわかっていませんが、この研究では脳磁図を利用して、脳の変化を測定しました。

脳が損傷されたとき、脳のエントロピー(無秩序の度合い)とcomplexity(複雑度)が高くなります。エントロピーと複雑度の上昇は、脳内でのコミュニケーションの低下を意味し、注意力、記憶力、実行力などの変化をもたらす可能性があります。

実験結果としては、TBIを持った人は事故後、健康な人に比べてエントロピーと複雑度が高くなっている事がわかりました。さらに、認知療法を行った後で、それらは減少し、健康な人と同様なレベルまで下がりました。(エントロピーの変化は特にfrontal-temporal areaにて、複雑度の変化は特に前頭葉と後頭葉部分にて起こっていました。)

この研究ではこれまでの研究が示している通り、TBIによって脳の機能構造が変化することが確かめられたと同時に、脳のエントロピーと複雑度のneurophysiologic signalsの変化を測定でき、それらの変化は観察できる行動パターンの変化とも関連があることがわかったのです。つまり、認証障害などの原因として、TBIなどで起こる脳のネットワークの機能的障害、エントロピーと複雑度の上昇などが一因として考えられるようです。

この結果から、TBIによって健康な脳に見られるネットワークが機能的に阻害されることがわかりました。さらに、変化してしまった脳はリハビリテーションによって、回復可能だということもわかったのです。

 

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Posted on 01/21/2013, in 第3回IAFNR学会参加報告, 外傷性脳損傷(TBI)から脳機能回復のために(IAFNR報告4), 機能神経学. Bookmark the permalink. 1 Comment.

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