定期的なカイロプラクティクケアと健康状態(血清チオールレベルの測定)

神経カイロプラクティックのケアにおいて、定期的な矯正は関節機能、神経機能を正常に保ち、身体を理想的な状態に維持するのを助けます。症状がなくても定期的にカイロプラクティックに通う人は多くいますが、その効果を検証した研究を紹介します。

最初にご紹介する2005年の研究(参考文献1)は、何の症状もない人々を短期間か長期間のカイロプラクティックケアを受けるグループに分けて、それぞれの血清中チオール基(Serum thiol)の値を計測したのものです。チオール基とは近年、人間の健康状態や老化を測定するのに使われる事があるひとつの指標です。例えば、DNAの修復に重要なADPリボースポリメラーゼ(Poly ADP-ribose polymerase)はチオール基の 酸化、還元により酵素活性が制御され、血清チオールレベルがDNA修復能に関連することが報告されています。さらに血清チオールレベルが低下することでエイズ患者の致死率が予測できること(2)、また様々な疾患においてチオールレベルが低下していることから、チオールレベルが人間の身体の健康を保つ機能の指標として考えられることが報告されています。(3)

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血清チオールと様々な疾患の関連性を示唆しているグラフ。様々な疾患においてチオールレベルが低下していることを示しています。参考文献3。

そこで、定期的なカイロプラクティックケアがこの血清チオールレベルに影響を与えるのかどうかを調べました。研究では以下の3つのグループの血清チオールレベルが測定されました。1.何らかの疾患を抱えた人々(筋骨格系疾患を含める) 2.自覚症状が無くカイロプラクティックケアを8−52週間の期間定期的に受けている人々。 3.自覚症状が無くカイロプラクティックケアを52−312週間の期間定期的に受けている人々。すべてのグループは40歳以上の人々で構成されました。結果、グループ3の52−312週間の期間、定期的なカイロプラクティックケアを続けていた人々の血清チオールレベルが一番高いことがわかりました。

カイロプラクティックケアにおいて、関節と神経機能を正常に保つことが健康維持において、さらには老化防止のためにも効果がある可能性を示す興味的な研究でした。

参考文献:

  1. Surrogate Indication of DNA Repair in Serum After Long Term Chiropractic Intervention – A Retrospective Study, Journal of Vertebral Subluxation Research ~ February 18, 2005 ~ Pages 1-5, (accessed http://vertebralsubluxation.sharepoint.com/Pages/2005_1139_dna.aspx  on 05/23/13)
  2. Low serum thiol levels predict shorter times-to-death among HIV-infected injecting drug users.AIDS. 1997 Sep;11(11):1389-93. (Accessed http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9302450 on 05/23/13)
  3. Reduced Level of Serum Thiols in Patients with a Diagnosis of Active Disease. Journal of Anti-Aging Medicine.
    Vol.6, Number 4, 2003 Pero, R.W., Banne,A.F.

Posted on 05/24/2013, in 2005. 定期的なカイロプラクティクケアと健康状態(血清チオールレベルの測定), 研究/文献. Bookmark the permalink. Leave a comment.

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