馬尾症候群(Cauda Equina Syndrome)

脊髄はL1/L2で終わり、その下は馬尾(ばび)神経が下に向かって走り、それぞれの椎間孔から出て行きます。この神経の束が椎間板の破裂やヘルニア、腫瘍、膿瘍、外傷による損傷、炎症(強直性脊椎炎など)による腫れなどによって圧迫されることによって現れる症状を、馬尾症候群といいます。

胸椎の10番目より下に起こる障害で馬尾症候群が引き起される可能性があります。馬尾症候群は仙骨からの神経根のみを圧迫すると考える人がいるようですが、これは大きな間違いです。馬尾とは脊髄の終わり(脊髄円錐)、脊椎神経のT12-S5、終糸繊維(脊髄硬膜に存在する脊髄円錐から仙骨につながっている)からなり、これらを圧迫するものを馬尾症候群としています。

馬尾症候群は大きく分けて3つのタイプがあります。

①側面馬尾症候群(Lateral Cauda Equina Syndrome)

最も多く見られる側面馬尾症候群は、神経繊維腫です。椎間板障害はあまりみられません。症状として太ももの痛み、四頭筋(太ももの筋肉)の萎縮、足首の内反(ankle inversion)が弱い[L4神経根障害]、膝反射の喪失が挙げられます。障害が高い位置かつ、脊髄円錐より外側にある場合、錐体路兆候(pyramidal signs)として、膝反射の亢進と足首のクローヌス(Ankle clonus)とバビンスキ(Babinski)兆候を伴うこともあります。これらの兆候とともに、脊髄の圧迫によって括約筋(肛門や尿道口にある輪状のバルブの役割を果たす)の障害がみられることがある。

②内側から圧迫される正中馬尾症候群(Midline Cauda Equina Lesions from Whithin)

conus lesionとも言われます。上衣腫(ependymoma; Gliomaの一種)、類比腫(dermoid tumor)、脊髄円錐の脂肪腫(lipoma)らが通常、原因である。神経根は内側から損傷する。例えば、S5->S4->S3となる。はじめは直腸痛、生殖器痛、排尿障害、性的能力の喪失などがみられる。後に、膝反射の喪失、L5, S1筋力の低下などが起こります。上衣腫が原因の場合、これらの症状が現れる前に、慢性的な鈍い背中の痛みを5年抱えていることもあります。

③外側から圧迫される正中馬尾症候群(Midline Cauda Equina Lesions from Outside)

両側に腰椎神経と仙骨神経の障害がみられます。神経根障害がL4とS1などといったようにみられる場合、気をつけて検査を行う必要があります。緩和する事の出来ない強烈な痛みと神経障害の兆候は、ただの椎間板の障害と考えず、ほかの病理疾患を疑いながら検査すべきです。

References: 
1. Neurological Differential Diagnosis 2nd ediciton, J.P. Patten 
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Posted on 02/22/2014, in 慢性になりやすい痛み. Bookmark the permalink. Leave a comment.

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